足の血管がボコボコを浮き上がってくる下肢静脈瘤

特に女性の発症が多いと言われており、意外に悩んでいる人も多い病気です。

今回は下肢静脈瘤について、原因や症状、予防法や治療法等、徹底的に説明していきたいと思います。

下肢静脈瘤が起こるメカニズム

女性のふくらはぎの画像下肢静脈瘤が起こるメカニズムには、血管の構造や脚の血流の仕組みが関係しています。

この項目では、

  • ふくらはぎのポンプ機能の衰え
  • 静脈の拡張
  • 静脈の弁の破壊

の3つのポイントから、下肢静脈瘤が起こるメカニズムについて解説します。

ふくらはぎのポンプ機能の衰え

体へ酸素や栄養を運び、老廃物を回収するには、血液がスムーズに全身を巡ることが必要です。

心臓は血液を全身に送る臓器として知られていますが、足先から心臓へ向かって血液を送り返すには、重力に逆らう必要があるのでかなり大変です。

このとき、血液を心臓へと押し戻すのを助けるのが、ふくらはぎのポンプ機能です。

足を動かすことでふくらはぎの筋肉が収縮すると、血管を圧迫して血液が上半身へ戻っていくのを助けます。

同じ姿勢が何時間も続いたり、運動不足の状態に陥ると、ふくらはぎの筋肉の働きが衰えてポンプ機能がきちんと働かなくなってしまいます

ポンプ機能がはたらかなくなることで足に血液がたまりやすくなり、静脈が拡張しやすくなります。

静脈の拡張

静脈の拡張は、下肢静脈瘤を引き起こします。

前の項目で運動不足などによるふくらはぎの筋肉の衰えが静脈の拡張を引き起こすと解説しましたが、筋肉の衰え以外にも静脈の拡張を引き起こす要因となるものがあります。

その要因の1つに、加齢があります。

人間は加齢によってさまざまな部分が劣化していきますが、血管もその例外ではありません。

歳を重ねると血管の弾力性が失われ、血流で圧力がかかることによって静脈が拡張されます。

また、ホルモンバランスの影響で血管壁が柔らかくなって拡張してしまう場合もあります。

静脈の弁の破壊

血管が拡張されて多くの血液が足の静脈に集まると、血管に強い圧力がかかります。

この圧力によって血液の逆流をふせぐためについている静脈の弁が破壊されると、血液が足の方向へと逆流してより多くの血液が足の静脈に集まるようになります。

こうしてますます静脈が拡張され、こぶのような盛り上がりができます。

この盛り上がりが下肢静脈瘤と呼ばれています。

下肢静脈瘤の原因と考えられるもの

横たわっている女性の画象

立ちっぱなし・座りっぱなしの姿勢

立ちっぱなしや座りっぱなしの姿勢でいると、ふくらはぎの筋肉を動かさない状態が続くことになるので、足に血液がたまりやすくなります。

仕事などでやむを得ず同じ姿勢になりがちな方は、数時間に1度は屈伸をしたり、姿勢を変えるなどの工夫をしましょう。

運動不足

運動不足の状態が続くと、ふくらはぎの筋肉が衰え、同時にふくらはぎのポンプ機能も衰えてしまいます。

特に女性はもともとの筋肉量が少ないので、運動不足で筋肉を衰えさせないように工夫することが大切です。

ウォーキングやストレッチといった運動を取り入れ、日常的にふくらはぎをしっかり動かすようにしましょう。

妊娠・出産 など

妊娠に際して分泌される黄体ホルモンには血管を固くし、静脈の弁の機能を低下させてしまうはたらきがあります。

また、ひどくなると下肢だけでなく、陰部に静脈瘤ができてしまうこともあります。

妊娠によってできた下肢静脈瘤は出産が終わると改善される場合がほとんどですが、弁が壊れたままになっていると歳をとってから妊娠時の症状が再発してしまう方も多く見られます。

下肢静脈瘤ができやすい人

美容師の女性の画象下肢静脈瘤には、なりやすい人とそうでない人がいます。

下肢静脈瘤になりやすい人の特徴について、詳しく解説します。

性別

下肢静脈瘤は、男性より女性に多い病気です。

前の項目で解説した妊娠・出産と血管の関係の他、女性の方が元々の筋肉量が少ないため、ふくらはぎのポンプ機能が上手く働かない場合が多いことが関係しています。

年齢

加齢によって血管が劣化するので、下肢静脈瘤は若い人より年配の方に多い傾向があります。

また、歳を取ればとるほど血行も悪くなり、それだけ下肢に血液がたまりやすくなることも原因の一つであるとされています。

10代、20代で下肢静脈瘤を発症するケースはまれで、30代以降から歳を重ねるごとにリスクが高くなっていきます。

体格

高身長で脚が長い方は、それだけ血液を押し戻さなければならない距離も長くなるため、下肢静脈瘤になりやすいと言われています。

遺伝

両親や祖父母など、身内に静脈瘤の人がいると、遺伝によって下肢静脈瘤になりやすいといわれています。

これは、下肢静脈瘤という病気自体が遺伝するわけではなく、体質的に静脈の弁の組織が弱い人の子どもにはその体質が受け継がれることが多いためだとされています。

職業

立ちっぱなし、座りっぱなしの姿勢でいることがどうしても多くなる職業の方は、下肢静脈瘤になりやすいといわれています。

美容師さんや接客業、学校の先生などの立ち仕事が多い方や、受付などでその場からなかなか動けないという方は要注意です。

また、プロのスポーツ選手など、足を酷使する職業の方も下肢静脈瘤になりやすいといわれています。

下肢静脈瘤の主な症状

足がむくんでいる女性の画象下肢静脈瘤には、さまざまな症状があります。

今回は、

  • 足の血管が浮き出す
  • 足がむくむ
  • 足がつりやすくなる
  • 足のだるさ

上記4つについて重点的に解説します。

足の血管が浮き出す

下肢静脈瘤の症状の中でもっとも良く知られているのが、足の血管が浮き出したり、こぶのような盛り上がりができる症状でしょう。

見た目に現れる症状ですので、特に日頃からスカートを履く女性にとっては大きな悩みの元になってしまう場合も多いです。

足の血管が浮き出す症状は、足に血液が集りすぎて血管に大きな圧力がかかり、血液の逆流をふせぐ弁が破壊されてしまうことによって起こります。

静脈の弁が破壊されると血液による圧力で血管が拡張され、血管が目立つようになったり、皮膚に浮き出たりします。

下肢静脈瘤の足の血管の浮き出方には、大きく分けて4種類あります。

伏在型静脈瘤

伏在型静脈瘤は、静脈が4mm以上の太さに膨らんでしまうタイプの下肢静脈瘤です。

太い血管がボコボコと盛り上がり、手術が必要になる場合もあります。

主にふくらはぎの内側などに大きな盛り上がりができるものを「大伏在静脈瘤」といい、原因は足首の静脈の弁が壊れてしまうことだとされています。

また、「小伏在静脈瘤」は主にふくらはぎの裏側に静脈瘤ができる下肢静脈瘤で、ひざ裏の静脈の弁が壊れてしまうことによって引き起こされるといわれています。

側枝型静脈瘤

枝分かれした静脈が青く浮き上がるタイプの静脈瘤を、「側枝型静脈瘤」といいます。

ふくらはぎ周辺に見られる場合が多く、静脈の太さは3mm~4mmほどです。

網目状静脈瘤

網目状静脈瘤は、伏在型静脈瘤や側枝型静脈瘤とは異なり、1mm~2mmの細い静脈が皮下に網目状に青く広がる静脈瘤です。

血管の盛り上がりが見られることは少なく、くるぶし周辺やひざ裏などによく見られます。

クモの巣状静脈瘤

クモの巣状静脈瘤では、1mm以下の細い静脈がクモの巣のようにあらわれます。

あらわれやすい部位は太ももやふくらはぎ、ひざ裏などと幅広く、青紫色の血管が広範囲に広がります。

足がむくむ

静脈瘤によって血管が拡張されることによってますます足に血液が集りやすい状態となり、足がむくみやすくなります

下肢静脈瘤の初期症状として足のむくみが悪化することもあるので、日頃から足がむくみやすい方は特に注意しておくことが大切です。

足がつりやすくなる

足がつってしまう原因の一つに、血行の悪化があります。

なんらかの原因で血行が悪くなることによって足に必要な酸素や栄養分などが届かなくなり、筋肉が緊張状態に陥ることで足がつるといわれています。

下肢静脈瘤になると足に血液が集って血行が滞ってしまい、酸素などを十分に送れなくなることで、足がつりやすくなると考えられます。

足のだるさ

下肢静脈瘤になると、足に疲れが溜まりやすくなります

ふくらはぎのポンプ機能がきちんと働かなくなることによって足に血液がたまると、老廃物を含んだ血液がなかなか心臓まで送り返せなくなり、足に本来排出されるべき老廃物がたまってしまいがちになります。

このため足の疲労を感じやすくなり、足のだるさを感じます。

それほど運動していないのに足がひどく疲れるなどの自覚症状がある場合は、下肢静脈瘤の可能性があります。

下肢静脈瘤を放置するとあらわれる症状

ガーンとしている女性の画象下肢静脈瘤を放置すると、足に血管が浮き出たり表面に凹凸があらわれるだけでなく、さまざまな皮膚症状が出てしまう場合もあります。

下肢静脈瘤を放置するとあらわれる症状について、くわしく解説します。

色素沈着

下肢静脈瘤が悪化すると、足の血行が滞りがちになります。

血行が滞ることによって起こる皮膚炎を「うっ滞性皮膚炎」といいます。

うっ滞性皮膚炎の中でも多く見られるのが色素沈着です。

血行が悪くなって行き場を失った血液が血管からしみ出して皮膚へ到達すると、赤や茶色、紫色のあざのようなものができるようになります。

湿疹

色素沈着の項目で説明したうっ滞性皮膚炎の中には、湿疹としてあらわれるものもあります。

下肢静脈瘤が悪化して足の血行が滞りがちになると、皮膚に必要な酸素や栄養素がきちんと運ばれなくなってしまい、湿疹をともなう炎症が引き起こされます。

うっ滞性皮膚炎が湿疹として皮膚に現れる場合は、かゆみや赤みが出るケースも多いです。

皮膚潰瘍

うっ滞性皮膚炎を放置すると、静脈瘤性下腿潰瘍を引き起こすこともあります。

静脈瘤性下腿潰瘍は下肢静脈瘤の中でももっとも重い症状であり、皮膚の潰瘍だけでなく痛みや出血を伴う場合も多いです。

特に下肢静脈瘤では足の血行が悪くなってしまっているため、一度潰瘍ができてしまうと細菌に感染しやすく、放っておくとどんどん治りにくくなります。

潰瘍ができるまで放置すると治療には長い時間を要してしまうため、症状が重くならないうちに病院を受診することが大切です。

下肢静脈瘤の予防方法について

足のマッサージをする女性の画象下肢静脈瘤は、生活習慣の改善やちょっとした工夫で予防できる場合があります。

この記事では、

  • むくみ予防と下肢静脈瘤予防の関係
  • 便利グッズの活用

の2つのポイントから、下肢静脈瘤の予防法について解説します。

下肢静脈瘤予防にもつながるむくみ予防

足にむくみがあると足が太く見えてしまう他、足がだるく、疲れやすくなったり、冷えの原因になることもあるので、日頃からむくみ対策を心がけている女性も多いことでしょう。

実は、こうしたむくみ対策が下肢静脈瘤の予防につながることもあります。

足のむくみと下肢静脈瘤の関係

足のむくみは、足の血行不良によって起こります。

全身に 酸素や栄養を送り届けるために循環している血液は心臓のポンプ機能によって体全体に行きわたるようになっています。

しかし、心臓からもっとも遠い足では、重力の影響を受けて血液が下へ下へと流れようとするため、心臓へと血液を送り返すのはかなり大変です。

こうした状況をクリアするため、足の筋肉には血液を送り返すためのポンプ機能がついています。

足を動かすことでふくらはぎの筋肉が収縮して、足の血管を圧迫してたまってしまいがちな血液を流します。

また、 足の静脈には上へ上へと向かう血液が重力の影響で逆流してしまうのをふせぐために弁がついています。

足の筋肉のポンプ機能と静脈の弁という2つの機能のおかげで、足の血流が正常に保たれています。

しかし、同じ姿勢を長時間とることで足を動かさない状態が長く続いたり、運動不足で足の筋肉が衰えたりすると、ふくらはぎの筋肉のポンプ機能が正常に働かなくなります。

すると血液は足に集まりやすくなり、むくみが起こります。

さらに、むくみが慢性化することによって足に血液が集っている状態が続くと、血管が大量の血液による圧力で広がりやすくなります。

血管が広がることでより多くの血液が足に集り、やがて静脈の弁も破壊されてしまいます。

こうして血液の逆流を防げなくなるとさらに大量の血液が足に集中し、血管が浮きあがったり、こぶのようなものができます。

こうした足に起こる異常を「下肢静脈瘤」といいます。

つまり、むくみを防止することが、その先にある下肢静脈瘤の予防にもつながる、ということになります。

生活習慣を改善し、下肢静脈瘤を予防しましょう。

姿勢に注意

何時間も立ちっぱなしや座りっぱなしの状態が続くと、血液が足にたまりやすくなります。

1時間に一度は立ち上がったり、足先を曲げ伸ばしするなど、足の筋肉を動かすようにしましょう。

運動不足に注意

運動不足で足の筋肉が衰えると、血液を引き上げるためのポンプ機能が正常にはたらかなくなります。

毎日少しでも運動をして、足の筋肉を動かすようにしましょう。

特に女性はもともとの筋肉量が少ないので要注意です。

ウォーキングなどの軽い運動の他、どうしても運動が苦手な方はお風呂上りで筋肉が柔らかくなっているときにストレッチを行うのも効果的です。

衣類や靴による圧迫に注意

スキニージーンズなどのタイトな服は、下半身の血行を悪化させてしまう可能性があります。

足のむくみや下肢静脈瘤が気になる時はできるだけ体を締め付ける服を避け、ゆとりのあるパンツやスカートを選ぶことが大切です。

また、サイズが合わない靴やヒールの高い靴が足の血行を悪化させる場合もあります。

足に負担をかけない靴を選びましょう。

水分・塩分の摂り方に注意

水分をとりすぎると、その分体の水分量が増えてむくみが発生しやすくなります。

水分をこまめにとること自体は健康に良いことですが、量が多すぎるとむくみを起こす原因になるので注意しましょう。

また、塩分のとりすぎがむくみにつながる場合もあります。

塩分の多い食事を続けていると、浸透圧の関係で体液の塩分濃度を薄めるために血管内の水分が増え、むくみが発生しやすくなります。

塩分を控えるとともに、体の浸透圧を調整するはたらきのあるカリウムをとるのがおすすめです。

海藻類や野菜・果物などを積極的にとりましょう。

下肢静脈瘤予防に役立つグッズ

足の画像下肢静脈瘤を予防するためには、日常生活の改善とともに便利グッズを利用するのもおすすめです。

フットピロー

日中に活動して足にたまってしまった血液を流すには、足を5cm~10cmほど上げた状態で寝るのがおすすめです。

たたんだタオルやクッション、毛布などで適当な高さを出すだけでも効果はありますが、足をのせる専用のクッションであるフットピローを使うのもおすすめです。

さまざまな形や素材のものが通販などでも手軽に購入できるので、自分に合ったものを探してみましょう。

着圧ソックス

着圧ソックスとは、伸縮性のある素材で足に圧力をかける靴下のことです。

足首から上へ向かうにしたがって圧力を弱めることで足にたまりがちな血液を引き上げ、むくみの解消を助けます。

仕事中にも履けるタイツタイプや、寝るときに履く圧力が弱めのタイプなどさまざまなものが販売されているので、自分の生活に合ったタイプのものを購入しましょう。

下肢静脈瘤の治療方法について

ストレッチしている女性の画象下肢静脈瘤の治療には、主に

  • 保存的療法
  • 硬化療法
  • 手術
  • 血管内治療

の4つがあります。

軽症であれば保存的療法で様子を見ますが、中には注射や手術といった治療が選択される場合もあります。

それぞれの治療法について、詳しく解説します。

保存的療法について

保存的療法は、比較的軽症の下肢静脈瘤や、手術後の経過観察中に行われる治療法です。

生活習慣の改善弾性ストッキングなどを使用し、症状が悪化するのを防ぎます。

生活習慣の改善

生活習慣の改善を行うことで、下肢静脈瘤の進行を防ぐことができる場合もあります。

運動やマッサージ を行い、足に血液がたまらないようにしましょう。

◆運動
軽い運動を行い、ふくらはぎの筋肉を動かすことで心臓へ血液を送り返すポンプ機能を活性化して足に血液がたまるのを防ぐことができます。

運動と聞くとハードなエクササイズを連想しがちですが、毎日短時間でも歩く習慣をつけるなど、少しの工夫で足の血行を改善させることが可能です。

また、デスクワークの方はつま先を上げ下げするなどして足を動かすようにするのもおすすめです。

◆マッサージ
入浴後など体が温まっている時にマッサージを行い、足にたまった血液を流してあげるのも効果的です。

脚がむくんでいると感じたら、足の裏や足指、足の甲からふくらはぎ、ひざ裏、太ももと足先からさすり上げるようにマッサージしましょう。

皮膚への摩擦刺激が気になる場合はボディクリームを使うなどして肌を守るのがおすすめです。

◆足を高くして寝る
寝るときに足を5cm~10cm程度上げて寝ると、寝ている間に足にたまった血液が流れやすくなります。

フットピローなど専用の道具を使う方法もありますが、タオルや毛布を折りたたんだものでも代用できるので誰でも手軽に始めることができます。

ただし、足を20cm以上上げると心臓に負担がかかってしまう場合がありますので、足を上げる高さには十分気をつけましょう。

弾性ストッキングの使用

弾性ストッキングは、足首からふくらはぎへと徐々に圧力を高めて足を引き締める特殊な靴下です。

ふくらはぎの筋肉を引き締めることで血液を心臓へと送り返すポンプ機能を補助し、足に血液がたまってしまうのを防ぎます

ドラッグストアなどで購入できる着圧ストッキングと仕組みはほぼ同じですが、医療用の弾性ストッキングの方が圧力が強く、保存的治療向きです。

硬化療法について

硬化療法は、注射によって太くなってしまった静脈を固める治療法で、比較的軽めの下肢静脈瘤に適用されます。

注射でかためられた静脈は6か月ほどで吸収されてなくなるので、根本的な治療が可能です。

術後は弾性ストッキングを使って血管を圧迫し、注射をした静脈が再度拡大することがないようにすることが大切です。

網の目状の静脈瘤や、クモの巣状の細い静脈瘤に有効な治療法です。

血管内治療について

血管内治療とは、レーザーなどで静脈瘤の原因となっている血管を焼き、流れを止める治療法です。

血管内治療では、カテーテルを血管内に入れ、内側からレーザーや高周波によって熱を加えて血管を焼きます。

焼いた静脈は硬化療法を行った静脈と同様に、数か月で体内に吸収されて消えるため、根本的な治療が可能です。

術後の痛みや出血なども少なく、日帰りで行うことができるため近年人気の方法です。

血管内治療は、「スタブ・アバルジョン法」という、数ミリのごく小さな切開部から静脈を切除する方法と併用されることも多いです。

両方切開部が小さく済む手術法ですので、目立つ傷を残さずに手術を行うことが可能です。

下肢静脈瘤の手術方法

診察している女性の画象下肢静脈瘤を治療するための手術には、

  • ストリッピング手術
  • 高位結紮術
  • レーザー手術

などの種類があります。

それぞれの手術の特徴について、詳しく解説します。

ストリッピング手術

ストリッピング手術とは、血管を抜き去る手術です。

血液の逆流を防ぐための弁が壊れたことによって下肢静脈瘤の原因となってしまった静脈を抜き去ることで、根本的な治療を行うことが可能になります。

ストリッピング手術は、下肢静脈瘤の中でも「伏在静脈瘤」に効果的な手術法です。

伏在静脈瘤とは足の付け根の足の静脈の弁やひざ裏の静脈の弁が大きく拡張し、4mm以上もの太さになってしまうタイプの静脈瘤です。

静脈が青く浮き出て見えるだけでなく、大きなボコボコとした皮膚の隆起が足の表面に現れるため、非常に目立ちます。

ストリッピング手術で弁が壊れてしまった静脈を除去することで、こうした大きな凹凸も改善することができる場合が多いです。

ただし、ストリッピング手術にはデメリットもあります。

一つは、ストリッピング手術が足を2箇所切開して静脈にワイヤーを入れ、ワイヤーごと静脈を取り去るという方法をとる手術であるため、手術時に神経を傷つけてしまう可能性があることです。

また、切開箇所が複数になるため体への負担が大きいことや、入院が必要になること、手術が長時間に及ぶことなど、比較的大掛かりな手術になるというのも見逃せないポイントです。

これに加え、術後に手術痕が残ったり痛みが生じる場合もあることなども知っておきましょう。

高位結紮術

高位結紮術は、弁が壊れて血液の逆流の原因となっている静脈を縛ることで下肢静脈瘤を改善させる手術法です。

ストリッピング手術は入院が必要になる大掛かりな手術ですが、高位結紮術は局所麻酔で行うことができるので日帰りでの施術が可能なこともあり、体への負担が少ないという特徴があります。

しかし、高位結紮術が成功しても下肢静脈瘤が再発したり、十分な効果が得られないこともあります。

そのため、注射によって静脈を固める硬化療法やストリッピング手術など、その他の手術法や治療法と併用される場合が多いです。

レーザー手術

今後、下肢静脈瘤の手術の主流になるとされているのが、レーザー手術です。

レーザー手術では、下肢静脈瘤の原因となっている静脈にレーザー機器を挿入し、熱の力で焼くことで流れを止める治療法です。

流れが止まった静脈は数か月かけて体内に自然と吸収されるので、下肢静脈瘤を根治させることも可能です。

レーザー手術では、数ミリから数センチ切開を行い、そこから静脈内にレーザー機器を挿入します。

ストリッピング手術と比べると局所麻酔で手術ができる上、傷あとが小さく済み、神経を傷つけるリスクも低いことから近年普及しつつある治療法です。

また、術後も痛みや出血、色素沈着が起こりにくく、再発もしにくいという特徴があります。

しかし、日本ではレーザーを使った下肢静脈瘤の手術は保険適用外になるため、高額な費用が必要になります。

自分の経済状況を考慮した上で手術方法を決めましょう。

下肢静脈瘤を放置するデメリット

×とサインをだしている女性の画像悪化した下肢静脈瘤を放置すると、大きなデメリットが発生する場合もあります。

一度破壊された血管は自然に治ることはない

下肢静脈瘤は、むくみなどで足に血液がたまりやすくなることで静脈が拡張されたり、血液の逆流を防ぐ弁が破壊されたりしてしまい、ますます血液が足に集ってしまうことによって起こります。

こうして破壊されてしまった静脈は、普通のケガのように放置すればいずれ治るというようなものではありません

医師に手術が必要なほど悪化していると診断された場合は、手術で根本的な解決を図ることが大切です

重篤な状態になってしまうこともある

下肢静脈瘤を放置すると、足の血行が悪化し続けることで皮膚症状などが出てしまう場合もあります。

最初は内出血が原因の色素沈着や湿疹などが現れるだけですが、そのまま放っておくと皮膚に潰瘍ができ、強い痛みを引き起こして日常生活に支障をきたします

皮膚症状が出てしまう前に、早めに適切な治療を受けましょう。

早めに下肢静脈瘤の手術を受けるメリット

OKとサインをだしている女性の画像早期に下肢静脈瘤の手術を受けることには、さまざまなメリットがあります。

下肢静脈瘤の症状が悪化してから手術をすると、ストリッピング手術などの大掛かりな手術を選択しなければならなくなってしまう場合もありますが、早めに病気を見つけて対処を行うことで、日帰りで行えるような比較的簡単な手術で根治できる場合もあります。

そうした手術を選べば体への負担も少なくて済みますし、術後に大きな傷が残ることや痛みが続くような状態を避けることもできます。

再発なくきれいに下肢静脈瘤を早く治すためにも、きちんと医師と相談し、症状に応じて適切な手術を受けましょう

まとめ

下肢静脈瘤は放っておくと大変危険な病気でもあります。

まだ下肢静脈瘤になっていない人はしっかりと予防対策を行い、すでに下肢静脈瘤を発症している人は、なるべく早めに治療を行うようにしましょう

下肢静脈瘤の脚の写真

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