おりものは生活習慣や体調の変化、あるいは性病(性感染症)などさまざまな要因から影響を受けて、色やニオイ、見た目が変化します。

今回はおりものの「色・ニオイ・見た目」の3つの切り口で、それぞれ変化しうる種類とその原因を詳しくご紹介していきます。

おりものとは?

元気な女性の画像

おりものとは、子宮や膣などから分泌される分泌液が合わさったものです。

おりものはニオイがしたり、下着が濡れたり汚れたり、あまり良いイメージが持たれるものではないかもしれません。

しかし、おりものは女性の性器にとって必要不可欠なものなのです。

おりものの主な働きは、膣内を病原菌から守ることです。

膣は身体の内側に入り込んだ構造をしている臓器ではありますが、口や肛門のように外界に開口しており、病原菌が侵入しやすい環境となっています。

しかし、仮に病原菌が侵入したとしても、どろっとしたおりものが膣の壁を伝いながら体外へ排泄されることで、それ以上の侵入や繁殖を防ぐ効果があります。

つまり、膣を病原菌から守るための、使い捨てできる清潔なフタとしての役割があるのです。

ただ、常に膣にフタをした状態では、受精の際に精子をもブロックしてしまうことになります。

こうならないため、おりものは生理の周期に合わせて性状が変化するという特徴を持っています。

卵巣から卵子が排卵されて受精可能になる“排卵期”には、精子が通りやすいように水のようにさらさらに変化することで、精子のスムーズな通過を手助けします。

おりものの色の種類

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おりものは白や黄色、緑、ピンクなどいくつかの色を呈する可能性があり、これらは膣内の状態を表す重要なサインとなっています。

色のみで原因を判断することは困難ですが、他の症状と組み合わせることで、原因を鑑別するための材料となります。

おりものの色を分けると主に5つあります。

  1. 透明~乳白色のおりもの
  2. クリーム色~黄色のおりもの
  3. 黄緑色のおりもの
  4. 灰白色のおりもの
  5. ピンク~茶色のおりもの

それでは、おりものの色の種類について詳しく見ていきましょう。

透明~乳白色のおりもの

正常なおりものは透明~乳白色です。

ニオイやかゆみ、不快感など、他の症状が何もない場合には、至って正常な状態です。

ただし、急におりものの量が増え、それが何日も続くようであれば、クラミジア感染症の可能性もあります。

また、白いおりものに加えてニオイやかゆみなどを伴う場合には、淋病やカンジダ膣炎、トリコモナス膣炎などの病気も考えられます。

クリーム色~黄色のおりもの

クリーム色のおりものであれば、特に病気を疑う必要はありません。

正常なおりものは透明~乳白色となりますが、時間が経つとタンパク質が変化して、下着に黄色いシミを作り、カピカピに固まります。

下着に黄色いおりものがついていても、トイレットペーパーで陰部を拭ったときに付着するおりものがクリーム色であれば、問題ないことがほとんどです。

ただし、黄色みが強い場合には膣内で炎症が起こっている可能性が高く、何らかの病気が関係していると考えられます。

黄緑色のおりもの

濃い黄色、さらに緑色が混ざっているような状態では、膣内で強い炎症が起こっている証拠となります。

感染症によって膣内で膿が作られ、この膿がおりものに混ざることでこのような色に変化するのです。

通常、強い悪臭を伴い、痛みやかゆみなどの症状も認めます。

灰白色のおりもの

おりものが灰色がかっているとき、最も考えられるのは細菌性膣症です。

細菌性膣症とは、免疫力の低下によって膣内に雑菌が繁殖し、おりものの性状に変化を与える病気です。

原因は外部からの細菌感染ではなく、もともと膣内に存在していた雑菌によって発症します。

通常、免疫力が正常に働いている場合には、これらの雑菌の増殖は抑えられています。

ですが、ストレスや疲労、体調不良などによって免疫力が低下した際に、免疫力のストッパーが外れることで、一気に増殖してしまいます。

その結果、灰色がかったおりものが増え、魚のような生臭いニオイを伴います。

ピンク~茶色のおりもの

ピンク色、あるいは茶色のように赤茶色系の色が混ざっている場合には、膣内や子宮内で出血が起こっていると考えられます。

これを不正出血といい、がんや頸管炎、ポリープなどを疑います。

生理の前後のみにみられる場合は、経血が混ざっていると考えられるため、特に問題はありません。

子宮頸がんは30~40代に多いがんで、特に接触によって出血しやすいため、セックス後にピンク色のおりものが分泌されます。

一方、子宮体がんは50代に多いがんで、接触に関係なく出血します。

頸管炎は、子宮と膣をつないでいる管の部分に炎症が生じる病気で、クラミジアや淋病などさまざまな感染症が原因となります。

ポリープは粘膜の一部がイボ状に盛り上がった状態です。

発症の原因は明らかになっていません。

ポリープの表面はやわらかく充血しやすいため、セックスや排便時のいきみなどで容易に出血します。

おりもののニオイの種類

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おりものにニオイがあると、すぐに病気を疑ってしまう方もいるかもしれません。

しかし、実はおりものにはニオイがあるものなのです。

おりものの臭いを分けると、主に4つ。

  1. 酸っぱいニオイのするおりもの
  2. 甘いニオイのするおりもの
  3. イカ臭い(生臭い)臭いのするおりもの
  4. 悪臭がするおりもの

ここでは、どんなニオイなら安心して良いのか、逆にどんなニオイは危ないのかということを確認していきましょう。

酸っぱいニオイのするおりもの

おりものは無臭のこともありますが、一般的には酸っぱいニオイがするものです。

これは、膣内の自浄作用と関係しています。

自浄作用とは、膣にもともと備わっている機能で、病原菌の感染から膣を守る働きのことです。

膣内で常に分泌液が流れ続けることで、膣内に存在する雑菌はおりものに絡めとられながら、定期的に体外に排泄されます。

また、膣内にはデーデルライン桿菌という細菌が常在菌として存在しています。

この細菌は、細菌でありながら、身体にとって良い働きをしてくれます。

腸の働きを整えてくれる乳酸菌と同じようなものと考えてください。

デーデルライン桿菌は、糖分を材料として乳酸を生成し、これによって膣内環境を酸性に保っています。

多くの病原菌は酸に弱いため、この働きによって病原菌の増殖を防ぐことが可能になります。

ここで、乳酸はやや酸っぱいニオイがするため、おりものに酸っぱいニオイがある場合には、自浄作用が正常に働いている証拠となります。

甘いニオイのするおりもの

上記でデーデルライン桿菌は糖分を元に乳酸を生成するとご紹介しました。

つまり、摂取した糖分の一部は膣内まで運ばれて使用されています。

摂取した糖分が多い場合には、材料が余って糖分のままおりもの中に排泄されることがあります。

この結果、おりものから甘いニオイがします。

また、妊娠によって女性ホルモンの量が変化すると膣分泌液の量が増えます。

すると、そこに含まれる糖分も増加するため、おりものから甘いニオイがすることがあります。

いずれにしても、病気が原因ではなく、治療の必要はありません。

イカ臭い(生臭い)臭いのするおりもの

イカ臭い、生臭い、魚臭い、チーズ臭い、腐ったようなニオイなどなど、おりものには色々と不快なニオイを伴うことがあります。

その原因も非常に多彩で、生活習慣が影響しているものもあれば性病であったり、あるいは性病ではないにしても膣内の病気である可能性もあります。

生活習慣の具体例として、たとえば、洗えていない、逆に洗いすぎてしまっている場合が考えられます。

陰部は深い凹凸のある構造をしているため、丁寧に洗えていないと垢が溜まって、イカ臭い、チーズ臭いなどのニオイを発するようになります。

逆に、洗いすぎてしまうと今度は膣内の必要な常在菌まで流されてしまい、自浄作用が乱れて雑菌が繁殖する結果、生臭い、イカ臭いなどのニオイが生じます。

また、病原菌による感染症が生じている場合には、膣内環境が乱れたり、炎症による膿が排泄されることで、おりものから不快なニオイが漂います。

ニオイのみで原因を特定することはできませんが、何らかの異常が生じていることは明らかです。

まずは産婦人科で受診し、原因の解明と適切な治療を受けることが重要です。

悪臭がするおりもの

「なんとなく不快なニオイ」に留まらず、強い、キツい悪臭がする場合には、淋病やトリコモナス膣炎などの性病が考えられます。

淋病は淋菌による性病で、膣内に強い炎症を引き起こします。

膣の炎症では悪臭を伴うおりものが増加し、かゆみを伴います。

尿道まで感染が広がると、排尿時に痛みが生じ、尿道からも膿が排泄されます。

さらに重症の場合には、発熱や腹痛を認めることもあります。

感染から発症までの潜伏期間は2,3日で、感染後比較的早いうちからこれらの症状がみられます。

トリコモナス膣炎はトリコモナス・バジナリスという寄生虫による性病で、同じく膣内に強い炎症を引き起こし、悪臭を伴うおりものとかゆみを伴います。

感染力が非常に強く、セックス以外にも、衣類やタオルの共用、便座、浴槽などを介して感染することもあります。

潜伏期間5日から1ヶ月と幅広く、忘れた頃に症状が現れます。

おりものの見た目の種類

水がはじけているイメージ画像

おりものは通常どろっとしていますが、ある日急にさらさらとした状態に変わることがあります。

おりものの色以外の見た目を分けると主に3つあります。

  1. おりものがどろっとしている
  2. さらさらと水っぽいおりもの
  3. ヨーグルト状のおりもの
  4. 泡沫状(ほうまつじょう)のおりもの

それでは、それぞれのおりものの見た目や症状について解説していきます。

おりものがどろっとしている

通常のおりものは水あめのようにどろっとしています。

このようにとろみがあることで、膣内の異物を絡めとり、おりものと一緒に排泄させて病原菌の侵入を防いでいます。

色やニオイ、症状などに異常がなければ、極めて正常なおりものといえます。

ただし、膿が混ざっていたり、悪臭を伴っていたり、かゆみなどの症状を認める場合には、詳しく調べる必要があります。

さらさらと水っぽいおりもの

おりものの性状は生理の周期によって影響を受けます。

通常はどろっとしていて異物の侵入を防いでいますが、排卵期には受精のために精子が通りやすいように性質を変えます。

この結果、さらさらとした水っぽいおりものに変化し、量も増えます。

排卵後2週間経っても受精が起こらないと、子宮内膜が剥がれて生理が始まるため、生理の2週間前におりものが水っぽくなるのは通常の変化です。

生理が28日周期で整っている場合であれば、生理開始日から14日前後におりものが水っぽく変化し、2,3日その状態が続いて、約2週間後にまた生理が始まります。

また、月経周期が不定期の方では、おりものが水っぽくなった日から約2週間に生理がくるという目印にもなります。

おりものが水っぽく変化した場合に考えられるもう1つの原因は、クラミジア感染症です。

クラミジアはクラミジア菌による性病です。

水っぽいおりものが増加する以外、多くは無症状です。

他の性病と比較して症状が軽いため、放置されることが多く、この結果、感染が広がってしまっており、最も患者数の多い性病として知られています。

自覚できる症状は少ないものの、炎症はじわじわと広がっていき、卵管や卵巣などに炎症が及ぶと、癒着や線維化などが起こって、卵子の通り道がふさがってしまいます。

すると、子宮外妊娠や不妊へとつながります。

ヨーグルト状のおりもの

カンジダ菌によるカンジダ膣炎が生じると、「ヨーグルト状」「酒かす状」「粥状」と表現される白いおりものが増加します。

おりものといっても、消しゴムのカス、あるいは豆腐のカスのようにポロポロとしたかたまりが分泌されます。

カンジダ菌は皮膚や粘膜に住み着いている常在菌ですが、非常に弱い真菌(カビ)であるため、普段は何の害ももたらしません。

しかし、免疫力が低下している状態では、過剰に繁殖し、おりものの増加に加えて非常に強いかゆみを引き起こします。

カンジダ膣炎の方では、そのかゆみのために外陰部に真っ赤な引っかき傷を作ってしまうことも多いといわれています。

泡沫状(ほうまつじょう)のおりもの

大量の泡を含んだおりものは「泡沫状」と表現され、トリコモナス膣炎に特徴的なおりものとして知られています。

トリコモナス膣炎では、泡沫状のおりものが増加し、悪臭に加えて黄色~淡い灰色を示します。

トリコモナスは原虫という種類の寄生虫で、一般的な抗生物質は効きません。

自己判断から適当に薬を服用してしまうと、膣の環境を維持していた善玉菌を殺してしまい、さらなる繁殖を招いて症状が悪化するおそれがあるため、注意が必要です。

まとめ

なにかと悩みのタネになりやすいおりものですが、おりものには雑菌から膣を守る防御機構として、あるいは身体の異常を教えてくれるサインとして、重要な存在意義を持っています

量や色、ニオイ、見た目の変化について、普段から観察する習慣をつけ、異常がある場合には速やかに産婦人科を受診できる勇気が必要です。

性病が原因となっている場合には、放置によって子宮外妊娠や不妊につながることもあります。

また、自己判断で適当に薬を飲んでしまうと逆に症状が悪化することもあります。

性器は女性にとって最も大切な器官の1つです。

異常を感じたら早めに産婦人科で受診し、正確な検査と確実な治療を受けてくださいね。

おりものに悩む女性の画像

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