おりものがみどり色になるのは病気の可能性が高いです。
しかも、病気が重度まで進行している可能性があります。
この記事では、おりものがみどり色になったときに考えられる4つの原因について詳しく解説します。
おりものがみどり色になる4つの原因
おりものがみどり色になるのは病気である可能性が高く、主に4つの原因が考えられます。
それぞれの病気の特徴について知りましょう。
おりものがみどり色になる原因①:トリコモナス膣炎
トリコモナス膣炎は、トリコナス原虫という寄生虫によって起こる性感染症です。
感染経路のほとんどは性行為となります。
男性が感染しても症状が現れることはほとんどないため、知らず知らずのうちにうつしてしまうことも少なくありません。
性行為以外の感染経路では、浴室の使用や不潔な手でデリケートゾーンを触ったことが引き金になることもあります。
トリコモナス膣炎では、おりものがみどり色になる以外にもさまざまな症状がみられます。
おりものの異常では、強い悪臭や血が混ざるほか、症状が重度化すると泡立つケースもあります。
また、体力や膣の自浄作用が落ちると、外陰部のかゆみやただれ、炎症が起こることがあります。
病気に気付かず妊娠してしまうと、膣炎の合併や前期破水、早産を引き起こす可能性があります。
妊娠を希望している女性は特に早めの対処が必要です。
おりものがみどり色になる原因②:淋菌性膣炎
淋菌性膣炎は、淋菌によって起こる性感染症です。
感染経路の多くが性行為ですが、まれに入浴やプールの使用によって感染することもあります。
特に膣の抵抗力が弱い女性は、性行為を介さなくても感染する可能性があります。
淋菌性膣炎は潜伏期間があるのが特徴で、感染から3~7日ほど経ってから膣に炎症が起こります。
放置していると、おりものに含まれる淋菌が体の奥に入り込み、さまざまな症状を引き起こすこととなります。
そのため、おりものに異常がみられた段階で治療を始めることがとても大切です。
たとえば、尿道に入り込むと尿道円や膀胱炎によって、排尿痛や残尿感を味わうこととなります。
子宮や卵管に入ってしまうと、卵管に異常が起こって不妊症の原因となるので注意が必要です。
症状が進むと、高熱やひどい下腹部痛が起こることもあります。
おりものがみどり色になる原因③:クラミジア感染症
クラミジア感染症は、クラミジアトラコマチスという微生物によって起こる性感染症です。
国内で特にみられる性感染症ともいわれ、主な患者は20台前後の若い女性となります。
感染経路のほとんどは性行為です。
クラミジア感染症には長い潜伏期間があり、感染から1~3週間経過してから症状が現れ始めます。
症状は全般的に軽度であることが多く、発見が遅れるケースも珍しくありません。
おりものの異常としては、みどり色になるほか、量が増えることがあります。
また、同時に下腹部痛や性交痛が起こるケースもみられます。
放置していると、子宮内膜炎や卵管炎を起こすほか、卵管の閉塞を招いて不妊症や子宮外妊娠の原因となることがあります。
感染に気付かぬまま妊娠してしまうと、流産のリスクが高まるおそれがあります。
さらに放置したまま出産してしまうと、赤ちゃんにも感染してしまい、新生児結膜炎や肺炎といった病気をを引き起こすこともあります。
妊娠を希望している女性は、十分な注意が必要です。
パートナーの男性にも感染している場合、尿道炎にかかることがありますが、症状は軽く、自覚することは難しいです。
再発しやすいのもクラミジア感染症の特徴となっています。
おりものがみどり色になる原因④:非特異性膣炎
非特異性膣炎は、原因の特定ができない疾患の総称です。
性感染症にあたらないので、性行為をしていない女性でもかかる可能性が十分にあります。
非特異性膣炎の原因は、膣の自浄作用の低下です。
膣の自浄作用は、以下のような場合に低下しやすい傾向にあります。
- 体力が低下している
- 偏った食生活で栄養不足である
- 風邪などで体調不良である
- 妊娠中や出産後で女性ホルモンの変動が起こっている
自浄作用の低下によって、常在菌である大腸菌やブドウ球菌などが増殖してしまうことが、症状を引き起こします。
このほか、デリケートゾーンの蒸れなどにも注意が必要です。
非特異性膣炎になると、おりものがみどり色になるほか、悪臭を放つことがあります。
また、膣の炎症によって腫れやただれ、出血が起こることも少なくありません。
対処が遅れると、排尿痛や性行痛といった痛みをともなうおそれがあります。
おりものがみどり色になった時の3つの治し方
おりものがみどり色になったと気付いたら、早めに治療を開始することが大切です。
早期治療と適切な処置を心がければ、おおむね1~2週間で正常なおりものに戻すことができます。
婦人科を受診する
おりものがみどり色になったとき、まず行うべきことは専門医による診断を受けることです。
独断で原因を特定し、勝手に治療方法を決めてしまうと、対処に遅れて症状が悪化してしまうおそれがあります。
診療科は婦人科を受診しましょう。
婦人科では、おりもののや膣などの状態を調べるための検査を行います。
内診台という専門の台に乗って内診と触診を行う可能性があるので、着脱衣やすいスカートを履いていくと良いでしょう。
また、診察の前におりものに異常があることは伝えておいてください。
薬を使用する
おりものがみどり色になる原因が特定できると、それぞれに適した治療薬が処方されます。
処方される薬の多くは、内服薬の抗生物質や膣に挿入する薬(膣剤)です。
なお、これらの薬は一般の薬局やドラッグストアで購入することはできません。
処方された薬は、必ず指示通りに使用するようにしましょう。
薬が効き始めると、早い段階で症状が軽減されることがあります。
一見、完治したように思えますが、この段階で薬の使用を中断してしまうと、再発の原因となります。
症状がおさまったように見えても、処方された薬は最後まで使い切ってくださいね。
パートナーと一緒に治療を始める
人によっては、自分が病気にかかってしまったことを恥ずかしいと感じるかもしれません。
しかし、あなたが自分の病気をパートナーに隠していると、パートナーにもうつしてしまうおそれがあります。
治療を開始するときはパートナーにも伝え、パートナーにも検査を受けてもらいましょう。
そして治療の必要があるなら、一緒に治すようにしてください。
女性の場合、おりものがみどり色になることで体の異変に気付くことができます。
しかし、男性の場合は自覚症状がないケースも少なくありません。
そのまま放置していると、パートナーの健康が損なわれるほか、あなたの病気が治ってもパートナーから再びうつされてしまう可能性があります。
また、完治するまでは性行為を控えることも大切です。
おりものをみどり色にさせない!3つの予防方法
おりものがみどり色になる原因はさまざまですが、共通してできる予防策にはどのようなものがあるでしょうか?
ここでは具体的な方法を紹介します。
おりものが濃い黄色になった時点で病気を疑う
正常なときのおりものは、乳白色です。
生理周期によってはやや黄色味がかることがありますが、濃い黄色になることはほとんどありません。
おりものが濃い黄色になるのは、病気の初期段階である可能性があります。
この濃い黄色のおりものを放置していると、やがてみどり色になってしまうのです。
つまり、おりものがみどり色になるのは、病気が進行していることを示しています。
おりものがみどり色になるのを予防するためには、おりものに濃い黄色が目立つようになった時点で病気を疑い、適切な対処を取ることが大切です。
一度おりものがみどり色になる病気にかかった場合、再発することもあるので、こうした色の変化は再発予防にも役立つでしょう。
デリケートゾーンは常に清潔な状態を保つ
おりものがみどり色になる感染経路の中にも書かれていた通り、デリケートゾーンが不衛生だと、病気のリスクが高まります。
デリケートゾーンを触るときは、必ず手をきれいにしましょう。
これはパートナーにも言えることです。
日常では、おりものシートや下着、ストッキングなどで蒸れた状態が続かないように気を付けましょう。
通気性の良い綿製の下着を着用したり、こまめにシートを取り換えるなど、すぐにできる対策はたくさんあります。
このほか、不衛生な環境での性行為や入浴を控えることも大切です。
性行為ではコンドームを着用する
すべての性感染症が、コンドームで予防できるという訳ではありません。
しかし、コンドームの装着は、自分たちで行える最も身近な予防方法でもあります。
おりものがみどり色になるのを予防するためにも、まずは自分でできることはきちんと行うようにしましょう。
特に、クラミジア感染症はコンドームの装着が予防に効果的とされています。
ただし、コンドームを正しく装着しなければ予防の役には立ちません。
パートナーと接触する前から使用し、装着時には爪でコンドームを傷つけないように気を付けてください。
まとめ
おりものがみどり色になる原因には病気が潜んでいる可能性が高く、しかも重度まで進行している可能性があります。
このまま放置していると、パートナーや将来生まれてくる赤ちゃんにも影響を及ぼすおそれがあるのも厄介なところです。
性行為を介して感染しやすいことから、パートナーと二人三脚で再発予防に努めることが大切です。
自力で治すことは難しいので、必ず医師に相談し、自分の症状に合った治療を受けるようにしましょう。
早めに対処すれば半月ほどで治せるので、悲観することはありません。
1人で悩みを抱えないようにしてくださいね。