すそわきがの原因には大きく6つの要素が関係していることが知られています。
あそこのニオイに悩んでいる方は、まずその原因から知識を深めていきましょう。
原因を理解することで、その対策や予防ができるようになり、すそわきがを治すことも可能になります。
すそわきがの6つの原因

すそわきがの1番の原因はアポクリン汗腺です。
この汗と雑菌のニオイが混ざることで、鉛筆の芯、あるいは玉ねぎのニオイなどと表現されるわきが臭が発生します。
この他、食事内容や体調、生活習慣によってもニオイが変化することがあります。
それでは、すそわきがの主な原因6つを見ていきましょう。
1:すそわきがの1番の原因はアポクリン汗腺
汗を分泌する汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類存在します。
このうち、エクリン腺は全身に分布している汗腺で、一般的な汗はこの汗腺から分泌されています。
成分の大半は水分であり、そこにわずかに塩分やカリウムなどの電解質が含まれています。
エクリン腺から分泌される汗自体には通常ニオイはありません。
一方、アポクリン腺は脇の下や耳、乳輪、陰部など特定の部位にのみ存在する汗腺です。
アポクリン腺から分泌される汗は、水をベースとしてタンパク質や脂肪、尿素、アンモニアなどニオイの元となる成分を含んでいます。
これらの成分が皮脂腺から分泌される脂肪酸と混ざると、酸化されて独特のニオイ醸し出すようになります。
アポクリン腺から分泌される汗は、かつてフェロモンとしての働きをしていたため、特に性行為の最中にニオイが強くなるといわれています。
2:すそわきがのニオイの主役は雑菌
エクリン腺から分泌される汗には、通常ニオイはないとご説明しました。
しかし、汗は酸っぱいニオイがしたり、放置すれば納豆のようなニオイをすることもあります。
このニオイの原因は、雑菌の繁殖によるものです。
汗をかいたまま放置をすると、高温多湿で不潔な環境を好む雑菌が増殖し、悪臭を発するようになります。
雑菌は微生物です。食事もするし、排泄もします。
雑菌は汗に含まれる電解質やタンパク質、脂質などをエサとして増殖し、悪臭を伴う成分を排泄します。
このため、エクリン腺から分泌される汗であっても悪臭を伴うことがあるのです。
その上、アポクリン腺から分泌されるわきが臭と雑菌の悪臭が融合されれば、そのニオイはさらに強烈なものになってしまいます。
3:すそわきがの臭いは食事に左右されることも
汗には体内の水分だけでなく、タンパク質や脂肪などの成分も含まれています。
つまり、食事の中で摂取するタンパク質や脂質などの栄養素は汗のニオイと直結します。
ニンニクやニラなど口臭の元となる食べ物は、汗にも移行してニオイを付加します。
また、肉やチーズなど動物性のタンパク質や脂質を含む食事、あるいは油っこい食事はアポクリン腺や皮脂腺を刺激して分泌を促し、ニオイを伴う発汗を助長させます。
この他、香辛料には発汗作用があるため、同様に汗の分泌を活発にします。
すそわきがのある方では、常にわきが臭が漂ってしまう方もいますが、何らかのイベント時にのみニオイが気になるという方も少なくありません。
そのイベントの1つである食事において、内容を見直すことで、すそわきがを治すことも不可能ではありません。
4:すそわきがは体調にも影響を受ける
ニオイの大本は雑菌です。
つまり、ニオイが増強するためには雑菌が伸び伸びと繁殖できる環境が必要になります。
私たちの身体には免疫機能が備わっているため、普段は雑菌の繁殖は最小限に留められています。
しかし、体調不良やストレスによって免疫機能が低下してしまうと、雑菌を抑圧する免疫力が弱くなってしまうため、雑菌は自由に繁殖することができるようになってしまうのです。
免疫力の低下は、ストレスや疲労の他、糖尿病や冷え性などの持病。
そして、ステロイド薬や免疫抑制薬など免疫機能を抑える働きのある薬剤の服用、寝不足や栄養不足など生活習慣の乱れなども原因となります。
また、生理のときにはホルモンバランスが乱れたり、下着の中が不潔になりやすいため、すそわきがのニオイも強くなるといわれています。
5:生活習慣は大丈夫?
食生活や体調管理以外にも、運動習慣や服装、生活環境などの生活習慣によっても、すそわきがのニオイは変化します。
たとえば、運動習慣のない方では汗を流す機会が少ないため、たまに汗をかくときにはニオイ成分が濃縮された濃い汗が分泌されます。
一方、運動習慣があって定期的に体内の老廃物を排泄している方では、汗は日常的に薄くサラサラしたものが分泌されます。
どちらが強いニオイを発するかは一目瞭然です。
同じ理由で、一日中クーラーのついた部屋で生活する習慣のある方では、汗腺が十分に機能できないため、同じく老廃物が蓄積してしまいます。
また、服装によっても雑菌の繁殖のしやすさが異なります。
ムレやすく通気性の悪い下着をつけていると、雑菌の大好きな高温多湿で不潔な環境が整ってしまいます。
日常的にタイツやストッキングを履く習慣のある方は、フルサポートではなくショートタイプの物を選ぶだけでも大幅な改善が見込めます。
6:ニオイに神経質になりすぎている
ここまですそわきがの原因と悪化を招く要素を紹介してきました。
しかし、ここで一歩立ち止まってみてください。
あなたは本当に、すそわきがでしょうか?
まんこはもともとある程度ニオイのするものです。
膣には細菌感染を防ぐための自浄作用が働いており、膣内環境を酸性に保つことで雑菌の繁殖を防いでいます。
このため、多少の酸っぱいニオイであれば、膣が正常に機能していることの証拠になります。
あなたが悩んでいるニオイは本当にすそわきがのニオイでしょうか。
また、仮にすそわきがであったとしても、そのニオイを気にしすぎることは禁物です。
緊張するとき、手に汗を握った経験がありますよね。
考え事をすること、それによってストレスを感じること、これは発汗を促す原因になります。
また、強いストレスから自律神経が乱れて、その結果免疫力が低下してしまえば、雑菌の繁殖しやすい環境となってニオイを増強させる原因にもつながります。
ニオイが気になるのであれば、その対策の一環として、ニオイを気にしないでください。
自分に合った対策法をみつけたら、「私は対策してるから大丈夫!」と前向きに過ごすことが大切です。
あなたはホントにすそわきが?自分でチェックする方法

「まんこからニオイがする=すそわきが」と思っていませんか?
まんこはそもそもある程度のニオイがするものですが、たとえ強いニオイがあったとして、その原因はすそわきがとは限りません。
すそわきが以外にも、クラミジアや淋病、トリコモナス膣炎などの性病、あるいはカンジダ膣炎や細菌性膣症などの婦人科疾患が背景にあることもあるのです。
ここでは、すそわきがのチェックリストとその根拠を解説していきます。
簡単にできるすそわきがセルフチェック方法
①シャツの脇や下着に黄色いシミが付いているか?
アポクリン腺から分泌する汗には、脂肪やアンモニアが含まれているため、やや黄色に着色されています。
シャツや下着が黄ばむということは、それだけアポクリン腺からの分泌量が多く、かつニオイを発するだけに十分な成分が含まれているといえます。
②パートナーにまんこのニオイを指摘されたことがあるかどうか?
自分の体臭にはなかなか気付けないものです。
すそわきがのニオイは性行為の最中に増強するといわれており、パートナーからニオイを指摘された場合には、すそわきがの可能性が高いと考えられます。
③耳垢がベトベト湿っているかどうか?
アポクリン腺はまんこ周辺の他、耳の中にも存在します。
耳垢が湿っているということは、それだけアポクリン腺からの分泌量が多いといえます。
④乳首からも同じニオイがするかどうか?
アポクリン腺は乳輪にも存在します。
このため、乳輪からニオイがする場合にはまんこからも同じニオイがしており、すそわきがと考えられます。
⑤両親や親族にわきがの人がいるかどうか?
わきがやすそわきがは遺伝する体質です。
血のつながっている人にわきがの人がいれば、すそわきがになる確率は高くなります。
⑥まん毛が多く、濃い
アポクリン腺は毛穴に開口しています。
このため、毛量が多かったり、太く立派な毛が生えている場合には、アポクリン腺の大きさも数も増えており、すそわきがの可能性が高くなります。
すそわきがは遺伝するってホント?

わきがやすそわきがは遺伝します。
しかし、これは病気ではありません。
両親の背が高ければ子供も背が高くなりやすい、両親が太っていれば子供も太りやすい。
これと一緒で、あくまで“体質”なのです。
両親の一方がわきがの場合には50%以上、両方がわきがの場合には80%以上の確率で子供に遺伝するといわれています。
すそわきがになる確率については明確な数字は解明されていませんが、わきがもすそわきがも、ともにアポクリン汗腺から分泌される汗によるニオイです。
わきがになる可能性が高ければ、すそわきがになる可能性も高いということになります。
ただし、わきがだからといって必ずすそわきがになるわけではないという点にご留意ください。
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まとめ
アポクリン腺の数やニオイの種類は生まれもった体質です。
ニオイ対策の治療はいくつかありますが、その性質自体を変えることはできません。
しかし、ニオイが増強する原因を知ることで、すそわきがのニオイを最大限抑えることは可能です。
雑菌を繁殖させない、臭いものは食べない、ストレスを溜めない、汗は適度にかく。
そして何より、気にしない!自分は臭いと思い込むと、そのせいでニオイが強くなってしまうこともあるということを忘れないでください。