おりものが茶色いときは、病気のサインのほか妊娠の可能性もあります。
臭いがないこともあるので、色の変化だけでも注意が必要です。
おりものが茶色いとき考えられる原因と、それぞれの対処法について紹介します。
パッと見るための目次
おりものが茶色いくて臭いがないとき、最も多い原因が不正出血
おりものが通常より茶色いけど、臭いには異常がない。
そんなとき、最も多い原因が不正出血です。
自分はどの不正出血の可能性があるか、症状を照らし合わせてチェックしてみましょう。
不正出血とは
不正出血とは、生理じゃないにもかかわらず女性器から出血が起こる不調の総称です。
性器から出血が起こり、それがおりものに混ざることで茶色に変化することがあります。
不正出血が起こる主な原因は子宮膣部びらん、子宮頸管ポリープ、膣炎、中間期出血の4つが挙げられます。
子宮膣部びらん
子宮膣部びらんは、子宮膣部をおおっている上皮がただれた状態のことを指します。
なお、「びらん」とは「ただれ」という意味です。
ただれが生じると、細菌の侵入や外部からの刺激に対して敏感になってしまいます。
その結果、炎症が起こり出血を起こす可能性があります。
子宮膣部びらんになると通常よりもおりものが増える傾向にあり、おりものに血が混ざって茶色くなります。
臭いを発することはありません。
子宮膣部びらんには真性と仮性があります。
真性の場合は治療が必要となりますが、仮性はおおむね治療の必要はありません。
なお、多くの場合が仮性びらんとなります。
ただし、仮性であっても炎症を繰り返す場合は治療が必要になります。
炎症は抗生剤で鎮めることができます。
子宮頸管ポリープ
子宮頸管ポリープは、子宮頸管にできる良性のできものです。
粘膜の増殖によって起こり、膣側まではみ出してくることもあります。
痛みは少ないものの、出血量が多いのが特徴です。
日常生活では、運動の刺激によって出血することもあり、その影響でおりものが茶色くなる可能性があります。
特に30~40代の女性に起こりやすいです。
ポリープが見つかった場合は、手術によって切除します。
早い段階で発見できれば手術の時間もかからず、入院の必要もありません。
ただし再発しやすく、ポリープができるたびに手術することとなります。
膣炎
膣炎は、膣に生じる炎症の総称です。
特に多いのが真菌類のカンジダ菌の増殖によって起こる、カンジダ膣炎です。
カンジダ膣炎になると、おりものが茶色くなるほか、量が増えたり、カッテージチーズのようにポロポロした状態に変化したりします。
また、デリケートゾーンに強いかゆみを感じるのも特徴です。
性行為をしていなくても、免疫力の低下や薬の使用などによって発症することがあります。
初めて発症した場合は、婦人科で処方される抗真菌性の薬で治療します。
2回目以降の場合は、市販の治療薬を使うことが可能です。
女性にとって身近な病気であり、再発しやすいので、症状が治まっても注意する必要があります。
中間期出血
中間期出血は、生理と生理の中間にあたる時期に起こる不正出血です。
中間期出血の場合は女性器の炎症ではなく、ホルモンバランスの乱れによって出血が起こります。
女性ホルモンは、生理予定日の10~14日前ごろにあたる排卵期に大きく変化します。
その結果、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が一時的に低下し、それに対してプロゲステロン(黄体ホルモン)が対応できないことが原因で出血が起こります。
自分の不正出血が中間期出血かどうか確かめるには、自分の生理周期と照らし合わせると良いでしょう。
出血は2~3日で治まることがほとんどなので、特に治療の必要はありません。
ただし、あまりにも長く出血が続くようであれば、念のため医師に相談するのが理想的です。
おりものが茶色いのは妊娠超初期である可能性も
妊娠を希望している場合、おりものが茶色く変化するのが妊娠超初期のサインである可能性があります。
妊娠超初期におりものが茶色くなる理由
妊娠超初期におりものが茶色くなるのは、受精卵が着床したためです。
子宮内には受精卵のベッドとなる子宮内膜があるのですが、受精卵がこのベッドの中に潜り込む際に出血が起こることがあります。
その血液が酸化しておりものに混ざるため、茶色いおりものが出ることがあるのです。
一般的には「着床出血」と呼ばれています。
茶色いおりものは着床のサインなので、通常であれば数日で治まります。
もしも長期にわたって続くようであれば、何らかのトラブルが起こっている可能性があります。
同様に、激しい痛みをともなう場合も注意が必要です。
妊娠超初期の症状
妊娠超初期にみられる症状には個人差があります。
おりものの変化としては茶色くなるほか、量が増えたり、水っぽくなることがあります。
また、臭いに何らかの変化を感じるケースも多いです。
おりもの以外の変化では、お腹が張ったり、下腹部痛や腰痛が起こることがあります。
また、下痢が増えたり、便秘になったりと便通に変化を感じる女性も多いです。
頭痛やめまい、熱っぽさといった通常と体調不良と変わらない症状が出るケースもあるので、妊活中はわずかな体調の変化にも気を付けましょう。
おりものが茶色いときの対処法
おりものが茶色くなったとき、どのような対処法を取ればいいのでしょうか?
具体的な対処法を解説します。
婦人科で治療を受ける
不正出血の原因となる病気は、婦人科に通院しないと治療できません。
茶色いおりものが続く場合は、まず婦人科を受診し、症状に適した薬を処方してもらいましょう。
子宮膣部びらんのように、おおむね治療を必要としないケースもあります。
しかし、びらんが真性か仮性というのは、肉眼で確認することはできません。
治療の必要がないかどうかを確かめるためにも、念のため婦人科を受診することをおすすめします。
妊娠の可能性を確かめる
妊娠を希望している、あるいは性行為をしているため妊娠の可能性があるという場合は、妊娠の可能性を確かめることが大切です。
最近の市販の妊娠検査薬は精度が高く、ほぼ間違いなく妊娠の有無を確認できるとされていますが、それでも最終的には婦人科で確かめるようにしましょう。
妊娠検査薬では妊娠の有無は確かめられても、子宮外妊娠の可能性といった細かな部分は把握することができません。
自分の体の状態をしっかり確認するためにも、早めに婦人科で検査を受けるようにしましょう。
おりものを茶色くしないための予防法
おりものが正常に戻った後は、茶色くしないための予防に努めましょう。
婦人科で定期検診を受ける
子宮頸管ポリープにカンジダ膣炎など、不正出血の原因となる病気は再発しやすいものが多いです。
そのため、定期検診で再発のリスクがないか確認するようにしましょう。
子宮頸管ポリープは良性ですが、まれにポリープの先端にがんが発生しているケースがあります。
子宮膣部びらんの場合も定期検診をおすすめします。
びらんができる場所は子宮頸がんが発生しやすい場所でもあり、ふたつの初期症状はよく似ています。
そのため、ただれが生じるたびに「びらんだ」と勝手に決めてしまうことは危険です。
確かめるには、子宮頸がん検診を受けましょう。
ストレスをためない
カンジダ膣炎やホルモンバランスの乱れには、ストレスが関与しています。
働きすぎや寝不足で体のストレスをためないこと、悩みを1人で抱え込んで心のストレスをためないことを心がけましょう。
過度なストレスは免疫力を低下させるため、デリケートゾーンの自浄作用を弱めてしまい、おりものの異常を招くことがあります。
趣味や気分転換でリフレッシュできる時間を意識的に作るほか、夜はしっかりと睡眠をとって体を休めるようにしましょう。
規則正しい生活を送る
人間の体は、昼間に働く交感神経と夜間に働く副交感神経という2種類の自律神経によってオンオフが切り替えられるようにできています。
このリズムに逆らって夜更かししたり、遅寝遅起きを繰り返していると体調が悪化し、免疫力の低下を招きます。
デリケートゾーンの自浄作用を保つためにも、規則正しい生活を心がけましょう。
起床就寝時間を一定にするほか、朝昼夕食の時間もなるべくそろえることがおすすめです。
また、運動不足になると 夜に目が冴えてしまい、眠れないといったことが起こります。
昼間は適度に体を動かすように意識しましょう。
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まとめ
おりものは、体調の変化によってさまざまな色に変化します。
中でも茶色く変化した場合は、病気だけでなく妊娠の可能性も出てくるので注意が必要です。
臭いがないなら問題ないだろうと放置せず、専門医のもとで早めに原因を特定するようにしましょう。
茶色いおりものがなくなった後は、再発予防と定期的な検診を心がけてくださいね。