おりものは、生理周期の影響で水っぽい状態になることがあります。
しかし、臭いもあるなら性感染症に感染している可能性が高いです。
さらに妊娠のサインであることも。
症状と照らし合わせて自分の原因を特定しましょう。
パッと見るための目次
おりものが水っぽいけど臭いがないのは生理周期の影響かも
正常なおりものは少し粘度があり、下着について乾燥すると黄色味がかったカサカサした状態に変化します。
しかし、そんなおりものも生理周期に合わせて状態が変化することがあります。
毎月同じ時期に水っぽくなるなら、生理周期の影響かもしれません。
おりものが水っぽくなる時期
おりものが水っぽくなる時期は、生理の約2週間前にあたる排卵期から黄体期にかけての時期です。
この時期は、女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が増えることによって、体にさまざまな変化が起こります。
おりものは水っぽくなるほか、量が少し増えます。
おりものがこのように変化するのは、排卵に合わせて受精しやすい状態にするためです。
黄体期に入ると、PMS(月経前症候群)が起こる人もいます。
PMSは生理前に起こる不調の総称です。
頭痛や腰痛、便秘といった体の不調のほか、イライラや不安、憂うつ感といった心の不調が起こるケースもあります。
臭いがなければ可能性あり
生理前のおりものの変化で、臭いがいつもより多少酸っぱく感じられることもあります。
臭いの変化は個人差があるので、全く感じられない人も多いです。
いずれにしても悪臭に悩まされることはないため、臭いがなく水っぽいおりものが出るのであれば、生理周期の影響によるものと考えられるでしょう。
おりものが水っぽい!臭いもあるなら性感染症の可能性が
おりものが生理周期に関係なく水っぽくなる、しかも臭いもあるという場合は、性感染症の可能性が高いです。
性感染症は、主に性行為を感染経路として発症する病気のことです。
おりものが水っぽくなり臭いを放つのであれば、トリコモナス膣炎やクラミジア頸管炎にかかっている可能性があります。
トリコモナス膣炎
トリコモナス膣炎は、寄生虫である「トリコナス原虫」の感染によって引き起こされる性感染症です。
男性が感染しても症状が現れることがないため、知らず知らずのうちにパートナーにうつしてしまうことがあります。
膣炎というだけあり、症状はデリケートゾーンに炎症が起こり、強いかゆみが生じるのが特徴です。
おりものは水っぽくなるほか、強い臭いを放ちます。
放置していると、おりものが緑色っぽくなり、泡立つようになります。
治療するには、抗トリコモナス剤が必要です。
性行為をしていない人でも、不特定多数の人が利用する浴室やトイレで感染することがまれにあります。
デリケートゾーンの症状やおりものの状態からみて感染の疑いがある場合は、早めに医師の診断を受けましょう。
クラミジア頸管炎
クラミジア頸管炎は、子宮の下部にあたる子宮頸管に「クラミジア」という細菌が入り込むことで発症する性感染症です。
感染しても症状を自覚できないケースが多く、おりものの変化は貴重な病気のサインとなります。
おりものが水っぽくなるほか、不正出血が起こることが多く、おりものに血が混ざった状態に変化することもあります。
放置しているとクラミジアは体の奥にどんどん侵入していきます。
その結果、子宮頚管炎や卵管炎といったほかの病気を引き起こすおそれがあるので、早期発見と治療が大切です。
症状が重くなると下腹部痛が起こることがあります。
そうなる前に医師に相談しましょう。
治療では専用の抗生剤を飲むことが多いです。
妊娠希望の人は要注意!おりものが水っぽいのがサインかも
おりものは妊娠によっても変化します。
変化の仕方には個人差がありますが、水っぽくなるケースも少なくありません。
臭いがなく水っぽい状態が続くのであれば、妊娠の可能性も視野に入れると良いでしょう。
妊娠超初期の可能性
妊娠していない状態であれば、生理周期に合わせて女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が交互に分泌量を増やすサイクルが正常です。
しかし、受精卵が着床して妊娠が成立すると、2つの女性ホルモンが同時に分泌量を増やすようになります。
その結果、おりものにも変化が生じて水っぽくなったと感じる女性も少なくありません。
おりものは、水っぽくなるほか量が増える傾向にあります。
妊活中で基礎体温を測っている女性は、おりものにこうした変化が起こった時期と高温期が、2~3週間以上重なっているかチェックしてみましょう。
条件に当てはまる場合は、妊娠超初期である可能性が高まります。
おりものに血が混ざることも
妊娠超初期の体の変化によって、おりものの色が変わることもあります。
とりわけ多いのが、血が混ざることによって茶色っぽくなることです。
おりものに血液が混ざるのは、受精卵が着床する際に子宮内膜を傷つけることがあるためです。
わずかな傷なので、母体や胎児に影響はありません。
茶色っぽく変化するのは、血液が体外に出て酸素に触れることで酸化を起こしたためです。
細菌などの感染ではないので、臭いはほとんどありません。
ただし、おりものに血が混ざるといっても真っ赤な鮮血が混ざる場合は注意が必要です。
体に何らかのトラブルが起こっている可能性が高く、放置していると流産や早産のリスクを高めることになります。
そのほかの症状
妊娠超初期には、体と心ににさまざまな変化が起こります。
代表的な症状は、胸や腹部の張り、熱っぽさやだるさ、腰痛、便秘、頻尿、吐き気などです。
「何となくいつもと感じが違う」という程度の不調も起こりやすく、眠気を感じたり、臭いや味に敏感になる女性も多いです。
精神的には、涙もろくなったり、イライラしやすくなるといった変化が起こるケースもみられます。
おりものの変化のほかにも、こうした体と心の変化が起こるのが妊娠超初期の特徴です。
おりものが水っぽいときの3つの対処法
おりものが水っぽい状態が続いた場合の対処法を紹介します。
婦人科で性感染症か確かめる
生理周期に関係なくおりものが水っぽい状態が続く、なおかつ性行為をしているという場合は、まずは性感染症の感染の有無を確かめましょう。
性感染症の診断は、婦人科で行います。
早めに対処すれば診察に時間はかからず、痛みをともなう心配もありません。
婦人科に行くのはどうしても抵抗があるという人のために、通信販売で購入できる検査キットも販売されています。
それでもはやり、婦人科で検査を受けるのが理想的です。
なぜなら、病気によるおりものの変化は個人差が激しく、場合によってはここで紹介した病気以外にかかっている可能性があります。
性感染症じゃない場合、検査キットでは発見できません。
性行為は控えて治療に専念する
検査の結果、性感染症にかかっていると分かった場合でも、医師の指導通り治療を行えば、多くの場合が2週間程度で治すことができます。
再発予防のため、パートナーの健康のため、そして将来妊娠を希望するときに悩まされないために、完治するまでの間は性交渉は控えて治療に専念するようにしましょう。
すでにパートナーにうつしてしまっている可能性があるので、パートナーも検査を受けてもらうのが理想的です。
パートナーも感染している場合は一緒に治療して、どちらも完治してから性行為をするようにしましょう。
妊娠希望の人は検査を受ける
妊活中の女性や妊娠の可能性がある女性は、婦人科で検査を受けて必ず妊娠の有無を確認しましょう。
いきなり婦人科に行くのは抵抗があるという女性は、生理予定日から1週間ほど経ってから市販の妊娠検査薬を使ってみると良いでしょう。
検査の結果、陽性反応が出た場合は早めに婦人科で確定診断をしてもらってください。
陰性であっても、まれに検査結果が誤っていることがあります。
念のためその後の体調の変化にも十分注意しましょう。
まとめ
おりものが水っぽくなっても臭いに問題がないのであれば、生理周期の影響である可能性が高く、自然と元に戻ることがほとんどです。
しかし強い臭いを発したり、ほかの症状もみられる場合は、病気や妊娠の可能性が高まります。
これらは自分だけで解決することはできません。
放置せずに早めに医師に相談するようにしましょう。