デリケートゾーンから悪臭がする13の原因を解説します。
デリケートゾーンから悪臭がする原因はさまざまです。
一時的なものもあれば、病気のサインであることも。
性感染症からすそわきがまで、においの違いや症状も記載します。
パッと見るための目次
デリケートゾーンから悪臭が!5つの身近な原因

毎日の何気ないケアが間違っていたり、ちょっとした体の不調が影響してデリケートゾーンから悪臭がすることがあります。
ここでは、そんな身近な原因を5つ解説します。
自分に当てはまるものはないか、チェックしてみましょう。
デリケートゾーンの洗い過ぎ
デリケートゾーンの悪臭をなくそうとするあまり、強くこすって洗ったり、奥の方まで念入りに洗い過ぎると、かえって逆効果になることがあります。
デリケートゾーンには殺菌や真菌などから身を守る自浄作用があるのですが、洗い過ぎるとこのバリア能力が弱まってしまうのです。
バリアが十分に働かないと、殺菌や真菌の侵入を許し、膣内の環境が悪化してしまいます。
その結果、おりものに異常が起こり悪臭を放つようになるのです。
デリケートゾーンの洗浄は、シャワーで洗い流すだけで十分です。
通常の石鹸やボディーソープを使うと、洗浄力が強すぎて自浄作用が低下します。
トイレでのビデの使い過ぎも自浄作用を低下させる原因となるので、注意しましょう。
生理周期の影響
生理前は体臭が強くなりやすく、デリケートゾーンから悪臭がすることもあります。
生理前のみデリケートゾーンから悪臭がする場合、考えられる原因は「おりもの」と「皮脂分泌の増加」の2つです。
おりものは、生理周期に合わせて質や量、においが変化します。
生理前は量が増加しやすい上ににおいが強くなるので、いつも以上に酸っぱいにおいがします。
また、生理前は皮脂分泌を抑える女性ホルモン(エストロゲン)が減少するため、皮脂の分泌量が増えます。
皮脂は酸素に触れて酸化すると悪臭を放ちます。
さらに、皮脂は悪臭を放つ雑菌のエサとなることでにおいを悪化させるのです。
免疫力の低下
ストレスを溜めていたり、不規則な生活で睡眠不足が続いていたり、多忙な日々を送って体を酷使していると、免疫力が低下するおそれがあります。
免疫力の低下は、そのままデリケートゾーンの自浄作用の低下につながります。
自浄作用が低下すると、外敵の侵入を許し、悪臭を放つようになるのは「デリケートゾーンの洗い過ぎ」の項で解説した通りです。
季節の変わり目に体調を崩しやすい、風邪をひきやすい、いつも疲れているという人は免疫力が低下している可能性があります。
雑菌の繁殖
デリケートゾーンが汗で常にムレた状態だったり、恥垢が溜まっているような不潔な状態だと、悪臭を放つおそれがあります。
デリケートゾーンの汗や皮脂、恥垢は雑菌のエサになります。
雑菌はエサを食べて繁殖するときに強いにおいを発するため、これが強くなると悪臭になるのです。
下着やジーンズで通気性が悪かったり、おりものシートや生理用ナプキンを長時間つけっぱなしにしていると、雑菌が繁殖しやすくなります。
洗い過ぎることは避けたいですが、汚れを溜め込まないことも大切です。
胃腸や肝臓の不調
デリケートゾーンの悪臭は、ときに内臓の不調を知らせるサインの役割を果たします。
たとえば、暴飲暴食や栄養が偏った食生活で胃腸に不調が続いている場合は、デリケートゾーンから腐った卵のような悪臭がすることがあります。
一方で、アルコール類の飲み過ぎで肝臓に不調がある場合は、カビ臭さやドブ臭さに似た悪臭を放つことがあります。
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、なかなか不調を自覚できないので、こうしたデリケートゾーンの悪臭が重要な情報になることもあります。
最近の食生活が乱れていないか、体に不調を感じていないか、改めて見直すと良いでしょう。
デリケートゾーンの悪臭の原因になる3つの性感染症

性行為で感染する「性感染症」が原因で、デリケートゾーンから悪臭がするケースもあります。
性感染症はパートナーにうつしてしまう可能性があるほか、不妊の原因にもなるので十分な注意が必要です。
ここではデリケートゾーンの悪臭が症状のひとつとして現れる3つの性感染症について解説します。
トリコモナス膣炎
トリコモナス膣炎は、トリコナス原虫によって引き起こされる性感染症です。
感染すると、おりものが変化して、濃い黄色~黄緑色になり、強い悪臭を放ちます。
また、デリケートゾーンがただれると出血を起こすことがあり、おりものに血が混ざると鉄のような悪臭を放つこともあります。
トリコモナス膣炎は、強いかゆみや排尿痛といった症状も特徴です。
男性は症状がほどんと現れないため、知らないうちにパートナーの女性にうつしてしまうことも少なくありません。
放置したまま妊娠してしまうと、前期破水や早産を招くおそれがあります。
クラミジア感染症
クラミジア感染症は、クラミジアトラコマティスという病原体によって引き起こされる性感染症です。
日本で最も感染者が多く、男女合わせて100万人以上が感染していると推定されています。
性行為のほか、オーラルセックスでも感染するおそれがあります。
症状がほとんど現れないため、デリケートゾーンから悪臭がして黄色いおりものが増えるのが、自覚できる数少ない症状です。
感染に気付かず放置していると、やがて下腹部痛が起こるようになります。
また、妊娠に与える影響も大きく、不妊症の原因となるほか、子宮外妊娠を招くおそれがあります。
淋病
淋病は、淋菌の感染による性感染症です。
感染者の多くは男性ですが、性行為を通して女性に感染する可能性があります。
女性に感染した場合、おりものが膿のように黄色くなり、悪臭を放ちます。
不正出血や性交痛が起こるのも特徴です。
放置していると、おりものに含まれる淋菌が尿道に入り込み、尿道炎や膀胱炎を引き起こすことがあります。
さらに淋菌が子宮や卵管へ入り込むと、高熱や酷い下腹部痛を引き起こすことも。
淋菌に感染していると、1回の性行為でも約30%の確率でパートナーにうつしてしまいます。
その感染力の強さから性行為のみならず、入浴やプールの利用でも感染することがあります。
デリケートゾーンの悪臭の原因になる4つの病気

デリケートゾーンの病気は性感染症だけではありません。
性感染症以外でも女性特有の病気は発症するので、性行為をしていないという女性でも注意する必要があります。
ここでは4つの病気について解説します。
カンジダ膣炎
カンジダ膣炎は、カビの一種であるカンジダ菌の繁殖で起こる病気です。
カンジダ膣炎にかかると、おりものがカッテージチーズのように白くてポロポロとした状態になり、ツンと鼻を刺す悪臭を放つことがあります。
このほか、デリケートゾーンに強いかゆみが起こり、腫れとただれがみられるのも特徴です。
カンジダ膣炎は、デリケートゾーンのムレや自浄作用の低下、ピルの服用などによって起こります。
免疫力が低下するたびに再発することもあるので、一度治した後も生活習慣の見直しが必要です。
細菌性膣炎
細菌性膣炎は、デリケートゾーンの自浄作用を担う善玉菌(デーデルライン桿菌)以上に雑菌が繁殖してしまった場合に起こる病気です。
発症すると、おりものからは魚臭い悪臭が放たれます。
また、おりものが増量し、水っぽくなるのも特徴です。
デリケートゾーンに炎症を起こすので、強いかゆみやただれが起こり、痛いと感じることもあります。
善玉菌が減る原因は、免疫力の低下やデリケートゾーンの洗い過ぎが挙げられます。
善玉菌と雑菌のバランスが崩れると、そのたび再発を繰り返す可能性があるので、治療後も念入りにケアすることが大切です。
子宮内膜炎
子宮内膜炎とは、子宮内膜に細菌が入り込み炎症を起こす病気です。
子宮内膜炎にかかると、おりものが膿のように黄色く変化し、悪臭を放つようになります。
このほか、不正出血や下腹部痛、発熱が起こるのも特徴です。
子宮内膜は、受精卵が着床するベッドのような存在であり、妊娠しない場合は生理の経血となって排出されるものです。
一定のサイクルで新しく作られているので、細菌の侵入を許すことは、それほど多くはありません。
それでも細菌が侵入してくる原因は、タンポンの長時間使用や、肛門付近にいた大腸菌などがトイレットペーパーでの拭き取りによって膣付近に移動してきたといったケースが考えられます。
子宮頸がん
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスの感染が主な原因となっている病気です。
婦人科系のがんの中では最も患者が多く、年間約1万900件の女性が子宮頸がんと診断されています。
子宮頸がんにかかると、おりものに血が混ざるようになり、悪臭を放つことがあります。
このほか、血便や血尿、体のだるさといった症状が現れるのも特徴です。
早期発見ができれば比較的治療がしやすく、予後も良いので、定期的に検査を受けることが推奨されています。
デリケートゾーンの悪臭は遺伝が原因?すそわきがとは?

性感染症にかかっていないし、おりものにも異常がみられない。
それでもデリケートゾーンから悪臭がする場合は、遺伝が関係している可能性があります。
遺伝が原因でデリケートゾーンから悪臭を放つ場合、すそわきがを発症している可能性があります。
すそわきがの原因
すそわきがの原因は、アポクリン汗腺から出る汗です。
アポクリン汗腺の汗は、尿素やアンモニアを含むため、ほかの汗腺から出る汗と比べて強いにおいを発することがあります。
さらに、食生活によって汗のアンモニア濃度が高くなると、より悪臭が強くなる可能性があります。
すそわきがは遺伝する?
すそわきがは遺伝する可能性があります。
なぜなら、アポクリン汗腺の数は遺伝によって引き継がれるからです。
両親(あるいは片親)のアポクリン汗腺が多いと、子どももアポクリン汗腺の数が多くなる確率が高まります。
アポクリン汗腺はデリケートゾーンのほかにワキや乳輪などにもあるため、遺伝でアポクリン汗腺の数が多い場合は、これらの部位からも悪臭がすることがあります。
すそわきがをセルフチェック
すそわきがで悪臭がする場合、以下のような傾向がみられます。
自分に当てはまるか、セルフチェックしてみましょう。
- 性行為中に悪臭が強くなり、パートナーに指摘されたことがある
- ショーツに黄色い汗じみができたことがある
- 耳の垢がしっとりしている
- アンダーヘアが濃い
- 玉ねぎのようなにおい、あるいは鉛筆の芯のようなにおいがする
- 膣内からはにおいがしない
すそわきがは雑菌の繁殖で悪化する可能性があるので、こまめにケアすることでにおいを緩和させるよう心がけましょう。
まとめ
デリケートゾーンから悪臭がする13の原因はいかがでしたか?
性感染症やそのほかの病気の場合、自分だけで特定することは困難です。
症状が当てはまる、病気の疑いがあるという場合は、婦人科で検査を受けるようにしましょう。
身近な原因が当てはまる場合は、ケアの方法や生活習慣を見直してみてくださいね。