足のむくみには、生活習慣の乱れや循環器系・肝臓・腎臓などの病気が関係している場合があります。
足のむくみの原因として考えられるものについて、詳しく解説します。
足のむくみの原因として考えられる生活習慣4つ

足のむくみには、さまざまな生活習慣が関係しています。
今回解説するのは、
- 立ちっぱなし・座りっぱなしの姿勢
- 運動不足
- 水分、塩分の過剰摂取
- 不規則な生活
足のむくみの原因として考えられる生活習慣について、詳しく解説します。
1:立ちっぱなし・座りっぱなしの姿勢
立ちっぱなしや座りっぱなしの姿勢を長時間続けていると足がむくみやすくなります。
もともとふくらはぎの筋肉には、足先まで送られてきた血液を心臓へと押し戻すポンプの役割が備わっており、これがきちんとはたらくことで下半身の血流が正常に保たれています。
しかし、立ちっぱなし・座りっぱなしでふくらはぎの筋肉をほとんど動かさない状態が続いてしまうとポンプ機能が働かず、下半身に血液やリンパ液などの水分が集ったままになってしまいます。
その結果、むくみが起こって足が太く見えたり、強いだるさを感じたりします。
2:運動不足
ふくらはぎの筋肉が衰えると、血液を押し戻すポンプ機能がきちんと働かなくなります。
そのため、立ちっぱなし・座りっぱなしの姿勢を続けたわけではないのにむくみがひどいという場合は、運動不足によってふくらはぎの筋肉が衰えてしまっている可能性があります。
3:水分・塩分の過剰摂取
水分や塩分の過剰摂取がむくみを引き起こす場合もあります。
味の濃い食事などで塩分をとりすぎると体液の塩分濃度が上がってしまいます。
すると、体の防衛反応がはたらき、体液の濃度を薄めようとしてより多くの水分を取り込もうとします。
すると必然的に体内の水分が多くなり、毛細血管から余分な水分がしみ出して足や顔などがむくみやすくなります。
水分をとりすぎたときも同様に体内の水分量が増加してしまうため、むくみが現れやすくなります。
4:不規則な生活<ホルモンバランスの乱れ>
不規則な生活を続けていると自律神経のバランスやホルモンバランスなどが崩れて不眠や肥満、肌荒れ、情緒不安定、性機能や消化器官の不調などさまざまな症状が出るようになりますが、むくみも無関係ではありません。
体の水分量が減少すると脳から数種類のホルモンが分泌されて腎臓に指令が送られ、尿を作るのをやめて体内に水分を留めようとします。
しかし、なんらかの原因で乱れてこうしたホルモンが過剰分泌されてしまうと、体内に水分が有り余っているのに尿が作られず、足などがむくみやすくなります。
また、ホルモンバランスや自律神経が乱れると血行不良になりやすく、老廃物を含んだリンパ液が体に留まりやすくなってむくみの原因となる場合もあります。
足のむくみの原因として考えられる5つの病気

足のむくみというと単に足が太く見えて見栄えが悪く、なんとなくだるい感じがするだけと感じる方も多いかもしれませんが、病気が原因となっている場合もあります。
下肢静脈瘤など、足のむくみと関係のある病気について詳しく解説します。
1:下肢静脈瘤
下肢静脈瘤とは、足の血管についている弁が壊れることによって起こる病気です。
足の筋肉には血液を心臓へと押し戻すためのポンプ機能がついていますが、これとともに静脈には心臓へと戻っていく血液が重力によって逆流しないようにする弁がついています。
立った姿勢が多い仕事や妊娠・出産、遺伝などによって引き起こされることが多く、特に出産を経験した40代以上の女性に多く見られるといわれます。
命に関わるような深刻な状況を引き起こす病気ではないものの、血管がふくらんでコブができている状態に見えるようになります。
2:心臓の病気
足のむくみは、心臓病の予兆としてあらわれることもあります。
心臓になんらかの問題が起きて全身へ上手に血液を送ることができなくなると、もっとも心臓から遠い末端部である足にむくみやだるさなどの症状を感じることが多いといわれています。
むくみとともに息苦しさや動悸などの症状がある場合は心臓の病気の可能性がありますので、医療機関などできちんと診断を受けましょう。
3:腎臓系の病気
普段何気なくトイレで排泄している尿は、体内の水分量を調整するという大切な役割を担っています。
体内に余分な水分がたまり、きちんと排出されない状態になっているということは、尿を作る器官である腎臓に問題が起きている可能性があると考えられます。
特に急性糸球体腎炎やネフローゼ症候群といった病気では足のむくみが起こりやすいので、特に生活習慣に思い当たる部分がないのにむくみが治らない場合は医師に相談しましょう。
4:肝臓の病気
肝臓には、体中を流れてきた血液に含まれている毒素や老廃物を分解して取り除くというはたらきがあります。
肝臓の調子が悪くなるとこの作用がきちんと働かなくなり、本来分岐されていくべき毒素などが体の中にとどまり、余計な水分もたまりやすくなります。
足はむくみが出やすい部位ですが、足以外にもむくみが見られる場合は特に肝臓の病気が疑われますので、内科などで早めに診察を受けましょう。
5:甲状腺の病気
甲状腺ホルモンを分泌する甲状腺の機能が低下することでむくみが起こることもあります。
甲状腺ホルモンは代謝を促進するホルモンですので、甲状腺の機能が低下することによって老廃物や余分な水分の排出が滞り、むくみが起こりやすくなります。
足だけでなく顔などの他の部位のむくみがひどい場合や体重の増加、月経の異常などがみられる場合は医師に相談しましょう。
簡単にできる足のむくみ解消法3つ

病気が原因となっているむくみを改善するには医師による治療が必要ですが、生活習慣の乱れなどが原因となっている場合は軽いストレッチなどで改善することができます。
簡単にできる足のむくみの改善法について解説します。
1:足枕
できれば運動や面倒なストレッチはやりたくない…という方には足枕がおすすめです。
クッションや毛布といったものを寝る際に足元に敷き、足を10cm~15cmほど上げた状態で寝ましょう。
足先にたまってしまった水分を移動させてむくみを取るのに効果的です。
ただし、むくみが気になるからといって20cm以上足を持ち上げると心臓に負担がかかるので、足を上げる高さには十分注意しましょう。
2:ストレッチなどの運動
むくみ対策には、足の筋肉をしっかり伸ばすストレッチなどの運動が効果的です。
おすすめは、開脚ストレッチ。
床に座った状態から両足をできる限り開き、上体を左右に倒しましょう。
あくまで無理をせず、自分ができる範囲で行うことが大切です。
3:マッサージ
むくみ改善には、足枕やストレッチなどと合わせて入浴後の体が温まっているときにマッサージを行うのがおすすめです。
足の甲から足裏、足首、ふくらはぎ、膝周り、太ももと足先から順にたまった水分を上へ流すようにさすり上げましょう。
皮膚への刺激が気になる方はボディクリームなどを活用するとある程度摩擦刺激が抑えられ、肌トラブルを防ぐことができます。
まとめ
足のむくみは運動不足や姿勢、食生活などの生活習慣が原因の場合がほとんどですが、中には深刻な病気が隠れているケースもあります。
足のむくみ以外にも気になる症状がある場合は医療機関に相談し、適切な治療を受けましょう。
生活習慣によるむくみの場合は、足枕やストレッチ、マッサージなどを行うことで改善が期待できます。
毎日少しずつでもむくみ対策を行い、美脚を目指しましょう。
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